甘えるって悪くない。ママの『ありがとう』が、夫婦に優しさを育てる話

処方せんのいらない夫婦

「優しさって、どうやって育つんだろう?」と
ふと考えることがあります。

たとえば、先日夫と一緒にラーメン屋さんに行ったときのこと。

私は大きめのリュックを背負っていたのですが、
店内が少し狭かったこともあって、夫がさりげなくこう言ってくれたんです。

「こっちに置くから、もらうよ😊」

その瞬間、私は心から「ありがとう😊」と返しました。
でも、驚いたのはその後です。

実はそのとき、私はまだ自分のリュックが邪魔だということに
気づいていなかったんです。

つまり、夫のほうが私よりも早く状況に気づき、
しかもそれを言葉や態度で自然に表現してくれていました。

世の中の多くの男性は、
ここまで細やかな気づきや配慮を行動に移せない方も少なくありません。

けれど、私の夫はなぜこうも自然に気づき、動けるのでしょう?

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優しさの背景にある「受け取る力」

私の夫は、もともとレストランのホールで働いていた経験があります。
職業柄、人の動きや感情に気づくセンサーが
自然と磨かれていたのかもしれません。

でも、実を言えば、プライベートでは
そこまで敏感な印象はありませんでした。

それでも、私と一緒に過ごす時間のなかで、
夫の「気づき力」が育ってきたように思うのです。

たとえば、私は夫に対して、
遠慮せずに「ありがとう」を伝えるようにしています。

すると、夫の中に
「もっと気づいてあげたいな」
「またしてあげようかな」
という気持ちが、自然と育っていくのです。

これは、心理学で「肯定的強化」と呼ばれる働きによるもの。

誰かがしてくれた行動に対して、
「ありがとう」と感謝を伝える。

たったそれだけのことで、
相手は「自分の行動が役に立った」と感じ、
それが心地よい記憶として残っていきます。

この「行動→喜ばれる→うれしい」という流れが繰り返されることで、
「またやってあげたいな」という気持ちが、
少しずつ育っていくのです。

つまり、「ありがとう」は、
ただのお礼ではなくて、
相手の中にある優しさを後押しし、
その芽を育てていく力がある言葉
だったんですね。

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「120%甘える」ことで、優しさの循環が生まれる

私は、夫に対して120%甘えるタイプです。
遠慮はしません。頼りたいときは頼るし、
助けてほしいときは素直に伝えます。

なぜなら、甘えることは
「信頼しているよ」「任せているよ」という無言の愛のサインだからです。

男性にとって、「頼られること」は
存在価値を感じる大きな場面です。

「甘えられる」ということは、
「受け取る力がある」ということ。

そしてその受け取る力があるからこそ、
相手の中にある優しさが引き出され、
「優しさ」の循環が生まれるのです。

たとえば、疲れて帰ってきた日。
“今日はもうお皿も私も洗えません”って日、ありますよね(笑)

そんな日は
「ちょっと今日は疲れているからお皿洗ってほしいんだけど、いいかな?」とお願いする。
すると夫は「わかった、いいよ」と言って洗ってくれる。

そのとき、私は笑顔で「ありがとう」と伝え、
気持ちよく受け取る。

たったそれだけでも、
「お願いを受け止めて動いてくれたこと」と「感謝して受け取ること」が
循環するんですよね。

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受け取れない人が、受け取れるようになるために

「でも、私は人の好意を受け取るのが苦手で……」という方も少なくありません。

それはきっと、心のどこかで
「自分はそんな好意に値しない」と感じてしまっているから。

実は、私自身もかつてはそうでした。

過去の経験や刷り込みのなかで、
「甘える=わがまま」「頼る=迷惑」といった誤解を
持っていたことがあります。

でも、そんな私を少しずつ変えてくれたのが
「ありがとう」を口にすることでした。

受け取ることが苦手な人に、私がぜひ勧めたいのが
この2つの実践です:

  1. 小さなことでも「ありがとう」を言葉にする
    • たとえば、掃除機をかけてもらったとき、
      洗濯機のスイッチを押してくれただけでも
      我が家ではその時点で英雄扱いです。
    • 「ありがとう」を口にする度に、
      「自分は受け取っていいんだ」という感覚が育っていきます。
  2. 「あなたのおかげで嬉しい」と伝えてみる
    • これは、相手にとっての最高の報酬になります。
    • 好意を与えた相手も、
      「してよかった」と満たされることで、
      「またやってあげたい」「またあの笑顔が見たい」と
      次の優しさにつながっていきます。

受け取るとは、
「私は愛されていい存在」と、
自分に許可を出すこと。

何か特別なことができなくても、
ただ「ありがとう」と言えることで、
自分の存在を認めてあげられるようになります。

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受け取れる私でいることが、幸せな関係を育てる

受け取るって、実はとても大切な力です。

誰かの優しさを、まっすぐに受け取ることで、
自分の中に「満たされる感覚」が生まれ、
そのあたたかさがまた、相手にも伝わっていく。

そんな「与える・受け取る」の循環が、
夫婦や親子、職場など、あらゆる人間関係を優しく包みます。

私自身、夫とのやりとりの中でこの循環を意識し始めてから、
心が穏やかになり、日々の幸せを感じる瞬間が
増えていきました。

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愛されることに、遠慮はいらない

人は誰しも、「誰かに受け入れられたい」「大切にされたい」
という願いを持っています。

でもその一方で、素直にそれを受け取ることに、
どこか照れや遠慮がある。

だけどね、愛されるってことに、遠慮はいらないんです。

むしろ、しっかりと甘えて、
素直にありがとうを伝えられる人のほうが、
たくさんの愛を受け取ることができる。

そしてその愛が、さらに優しさを育てていく。

私たちは、ただ「受け取れる自分でいる」だけで、
幸せな関係を築いていけるのです。

だからこそ、今日も私は「ありがとう」と笑って、
120%甘えていきたいと思っています。

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