子どもが夢中になって遊んでいるとき、「やめて!」「ダメでしょ!」と、つい言ってしまいそうになることって、ありませんか?
親にとっては「散らかってる」「もったたいない」と思える行動も、実は子どもにとっては“学びの時間”だったりします。
◆シールだらけのタンス、怒らなかった理由
わが家に遊びに来てくれたママ友が、タンスを見てこんなことを言いました。
「シールだらけなのに怒らないのがすごい!」
そのとき、私は「あ、ここで怒る人もいるんだ」と初めて気づいたのです。
でも思い返すと、私自身も小さい頃にシールを貼るのが大好きで、特に怒られた記憶もありませんでした。
◆買ったばかりの傘を転がす娘に、ハッとした瞬間
別の日。
娘が買ったばかりの傘を、コンクリートの上で転がしはじめました。
一瞬で頭に浮かんだのは、
「ちょっと!壊れちゃうよ!もったいないよ!」という言葉。
でもそのとき、ふと以前テレビで聞いた
「子どものやることを邪魔しない」という言葉を思い出したんです。
その瞬間、私は立ち止まりました。
「これはイタズラじゃない。この子は今、何かを学んでいるのかもしれない」
そう思い直すと、さっきまでのイライラがスッと消えました。
前なら、ただイライラして終わっていたかもしれないのに、
今日は、娘と一緒に転がる傘を追いかけながら、私も笑っていました。
◆遊びの裏には、ちゃんと意味がある
大人から見れば、シール貼りや傘転がしは“いたずら”に見えるかもしれません。
でも、子どもにとっては大切な学びの時間なんですよね✨
例えばこんなふうに――
タンスにシールを貼る:
→ 自分の世界を表現する
→ 好きな場所を「自分のもの」と感じる体験
傘を転がす:
→ 傘の仕組みを観察する科学の目
→ 力加減や身体感覚を育む運動遊び
→ 「道具をおもちゃにする」発想力
→ 親が受け止めてくれる経験からの信頼感
こんなふうに、私たちが「やめて」と言いたくなる行動の裏には、子どもなりの意味や学びがぎゅっと詰まっているんです。
それは、知識だけじゃなく、
感覚や想像力、自信、信頼…そんな“生きる力”につながる学び。
だからこそ、ちょっと立ち止まって、
「この行動には、どんな意味があるんだろう?」と見つめてみると、
親としてのまなざしも、少しずつやわらかくなっていきます。
◆「いたずらにしか見えない」と感じるあなたへ
こんなふうに感じる方も、きっといらっしゃると思います。
「そうは言っても、どうしてもいたずらにしか見えない」
「止めなきゃって思ってしまう」
でも、その気持ちにも、ちゃんと理由があるんです。
「しつけができてないと思われたくない」
「親としてちゃんと止めなきゃ」
「物を大事にできない子になったら困る」
そんなふうに思うのは、子どもを大切に思っているからこそ。
でも、ちょっとだけ視点を変えてみてください。
これは“いたずら”じゃなくて、“学びの途中”かもしれない
そう思えたら、今まで「困った行動」に見えていたものが、
子どもの中にある「知りたい!」「試したい!」というエネルギーの表れに見えてきます。
「壊す」「汚す」「散らかす」の中に、
- 手で触れて感じる
- 反応を見て確かめる
- 限界を探ってみる
そんな立派な“知的好奇心”が隠れていることもあるんです。
だからね、こう考えてみてください。
「これは、知ろうとしてるんだな」って思ってみようかな?
止めることが悪いんじゃない。
でも、「止めない選択肢」もあるんだって知っているだけで、心の余白がふっと広がります。
それが、親にとっても子どもにとっても、ラクで豊かな時間につながっていくはずです。
◆止める?止めない?その線引きは「大人の都合」かどうか
もちろん、なんでもかんでも自由にしていいわけではありません。
たとえば、わが家では――
- 壁はNG(賃貸で借り物だから)
- タンスはOK(私の持ち物だから)
こんなふうに「どこまでOKなのか」を事前に決めておくと、親もイライラしにくくなりますし、子どもも安心して遊ぶことができます。
そして、理由を添えて伝えることで、子ども自身が“ルールのある自由”を理解していけるようになります。
【まとめ】
「ちゃんと育てなきゃ」「間違ったことはさせちゃいけない」
そんなふうに思っていた私が、ふと気づいたんです。
正しさよりも、
「今この瞬間、子どもはどんなことを学んでいるのかな?」
と問いかけるようになったとき、子育ては少しずつ、楽になっていきました。
止めないことで生まれる“学びの時間”は、
親にとっても、子どもにとっても、かけがえのない宝物。
子どもを「守る」のではなく、「信じて見守る」
そんな子育ての中に、きっとあなたらしいやさしさが育っていきます。
◆今日からできる、小さな一歩
- 「シール貼り」を“学び”として見てみる
- 止める前に一呼吸してから声をかけてみる
ほんの少しの視点の変化が、子どもののびのびした成長につながります。
そして、親である私たちも、少しずつ“自由な見守り方”を育てていけたらいいですね。
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