「えっ、個室料が一部屋12,000円?」
その金額を聞いて、あなたの心には、どんな声が浮かびますか。
「高いな…」
「いやいや、これぐらいは普通でしょ」
「そんなに払う価値があるの?」
きっと、答えは人それぞれ。
同じ数字でも、ある人には“背伸びした贅沢”に映り、
また別の人には“ちょっとしたご褒美”に感じられるかもしれません。
でもね——
私たちが「高い」か「安い」かを判断するとき、
そこにはたいてい、**“過去の経験”や“誰かの価値観”**が影響しています。
たとえば、学生時代の飲み会代。
ファミレスで語り合った青春の思い出。
ちょっと背伸びして入ったレストランで感じた、あの緊張感。
そんな記憶の“ものさし”で、
目の前の数字に、無意識のうちに意味をつけているんですね。
では、この12,000円という数字。
それは本当に「高い」のか。
それとも、人生を少し豊かにしてくれる「安い」投資なのか。
今日はそんなお話を、してみたいと思います。
相場から見れば“ごく普通”の個室料12,000円
そう考えると、12,000円という金額は「高すぎる」どころか、相場の真ん中あたりで“ごく普通”の範囲に入ります。
「個室料12,000円」というのは、ホテル内のレストランや老舗の料亭などでよく見かける“部屋代”の相場です。とくに都心のシティホテルや格式あるお店では、だいたい1万円〜2万円前後が多いように思います。
その金額の中には、料理代とは別に、
・まわりを気にせず過ごせる静かなプライベート空間
・専属スタッフによるきめ細やかなサービス
・記念日や大切な接待にふさわしい特別感
といった“体験そのものの価値”が含まれているんですね。
だから「ちょっと高いな」と感じる人もいれば、「これで安心と時間が手に入るなら安い」と感じる人もいる。数字そのものよりも、そのお金でどんな時間をつくれるのか──そこにこそ違いがあらわれるのだと思います。
つまり、お金の価値は“何を得るか”よりも“どう感じるか”で決まるのです。
あなたにとって、12,000円でつくれる一番価値ある時間は、どんな時間でしょうか?
本当に問いたいのは「何にお金を払っているのか?」
12,000円を払っているのは、料理の代金そのものではありません。
そこにあるのは、**「空間の安心」と「時間の豊かさ」**です。
・まわりを気にせず、大切な人と静かに語り合える時間
・誰にも邪魔されず、自分らしくいられる空間
・普段とは違う、ちょっと特別な気分で過ごす夜
考えてみれば、食事は家でもできるし、外食ももっと安くすませられます。
それでも人がわざわざ「個室」を選ぶのは、“料理以上のもの”を求めているからです。
それは、心の余裕かもしれない。
相手と真剣に向き合う勇気かもしれない。
あるいは、日常の中でふっと立ち止まれる“ひとときの贅沢”かもしれません。
つまり、お金は「モノ」に払うのではなく、そこで得られる“感情”や“体験”に払っているのです。
あなたにとって、この時間はどれくらいの価値がありますか?
「料理代」としての12,000円なのか、
「心の豊かさ」への投資としての12,000円なのか——。
あなたなら、この時間にいくら払いますか?
たとえば——
毎日の暮らしの中で、夫婦でじっくり話す時間って、どれくらいあるでしょう。
子どもの話、家のこと、仕事のこと。
目の前のことをこなすのに精一杯で、気づけば“すれ違い”が続いている。
そんな日々のなか、
「ちゃんと向き合って話したいな」と思うこと、きっと誰にでもあるはずです。
たとえば、パートナーに静かに伝えたい想いがある夜。
「最近、どう?」
そんなふうに他愛ない会話から、
「これからのこと」や「自分たちの気持ち」を素直に言葉にできたなら——
それは、何より尊い時間かもしれません。
また、ママ自身のためだけの“自分時間”も、同じくらい大切です。
ひさしぶりに子どもを預けて出かける、ごほうびランチ。
お気に入りの服を着て、ちゃんと自分を“女性”として扱ってあげられるひととき。
家ではなかなか話せないような深い想いを、
信頼できるママ友と、静かな空間で語り合う——
そんな時間が、心の中に少し余白をつくってくれることもあります。
誰にも気を遣わず、誰にも遮られず、
「ただの母」ではなく「私」として過ごす静かなひととき。
12,000円という金額は、
そんな“安心して、心を開ける場所”をつくるための、ささやかなチケットかもしれません。
それが、これからの暮らしや関係性を、
もっと穏やかに、豊かにしてくれるのだとしたら——
あなたなら、その時間に、いくら払いますか?
お金は「感情と時間をデザインする道具」
私たちは、お金を使ってモノを買っているようでいて、
実はその先にある“感情”や“体験”を買っているのだと思います。
静かな空間で、誰かと想いを交わす。
その記憶が、あとから人生の支えになることだってある。
だからこそ、「高いか安いか」ではなく、
「それによって自分の時間と想いが、どれだけ豊かになるか」で、お金の使い方を考えてみませんか?
この12,000円が、あなたの人生でいちばん大切な時間になるかもしれないから。
関連記事はこちら
コメント